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はじめての生成AI|会社の情報、AIに入れていいもの・ダメなもの

こんにちは、福山でトップフィールドマーケティングという会社をやっている神田(じんでん)です。

これまでこのブログでは、請求書やシフト表など「この仕事にAIをこう使う」という話を書いてきました。ただ、周りの社長さんと話していると、そのもう一歩手前で止まっている方がかなり多いんです。

「AIが便利なのは分かった。でも、会社のことを入れて大丈夫なん?」

この質問、本当によく聞かれます。なので今回から「はじめての生成AI」という入門編を始めることにしました。第1回は、この「何を入れていいのか問題」です。

先に結論を書いておくと、全部ダメでも、全部OKでもありません。入れる前に3つだけ確かめれば、ほとんどの仕事は安心して使えます。この記事では、その3つと、よくある書類ごとの線引きをまとめました。

「AIに入れたら漏れる」は、半分だけ本当です

まず、なぜ心配されるのかを整理しておきます。

ChatGPTのような生成AIは、無料で使える状態だと、入れた文章がAIをよくするための材料(学習)に使われる設定が最初からオンになっています。オフにしておかないと、自分の打ち込んだ内容が、自分の知らないところで使われる可能性がある、ということです。

実際、2023年には韓国のサムスン電子で、社員が社内のプログラムをChatGPTに入れてしまい、社外に出てしまったと報じられました。国の機関であるIPA(情報処理推進機構)が毎年出している「情報セキュリティ10大脅威」でも、2026年版で「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初めて選ばれ、いきなり3位に入っています。

ただ、怖がって使わないのも、もったいないと私は思っています。学習に使わせない設定はちゃんとありますし、何を入れないかを決めておけば、事故はかなり防げるんです。「漏れる」が本当なのは、何も決めずに使った場合の話です。

正直に書くと、私もAIを使い始めた頃は、どこまで入れていいのかが分からず不安でした。お客様の名前や会社の顧客情報を入れても大丈夫なのか。そもそも、AIにどんな情報を読ませればいいのか。けっこう悩んでいたと思います。

今は、お客様の情報が関わる仕事では、2つの守りを置いています。1つ目は、AIに渡す前に、名前や連絡先を記号に置き換えて、誰の情報か分からない形にすること。2つ目は、名簿のようなファイルが、そもそもAIに送られないように、パソコンの側で止める仕組みを作ることです。

ここまで仕組みにしなくても大丈夫です。ただ、「人の情報は、AIに渡す前に消す」という考え方は、どの会社でも同じだと思っています。

入れる前に確かめるのは、3つだけ

細かいルールを全部覚える必要はありません。AIに何かを貼りつける前に、次の3つを順番に確かめてみてください。

AIに入れる前の3つの確認。Q1 人の名前や連絡先が入っているか、入っていれば消すか「Aさん」に置き換える。Q2 社外に出していない数字や、取引先と約束して守っている情報か、そうなら入れない。Q3 学習に使わせない設定にしてあるか、まだなら先に設定する。3つとも大丈夫なら入れてOK

1つ目は、人の名前や電話番号、メールアドレスが入っていないか。入っていたら、消すか「Aさん」に置き換えます。

2つ目は、社外に出していない数字や、取引先と「外に出さない」と約束している情報かどうか。これは置き換えても危ないので、そもそも入れません。

3つ目は、学習に使わせない設定にしてあるか。これは最初に1回やっておけば、あとは気にしなくて大丈夫です。設定のしかたは、このあと説明します。

よくある書類で分けると、こうなります

3つの確認を、会社でよく扱う書類に当てはめてみました。あくまで目安ですが、迷ったときの参考にしてみてください。

そのまま入れてOK

  • ホームページやチラシなど、すでに外に出している会社の紹介文

  • 「お盆休みのお知らせを書きたい」など、名前も数字も入らない頼みごと

  • 自分で書いた文章の言い回し直し(名前や金額が入っていないもの)

ぼかせば入れてOK

  • お客様や取引先へのメール(相手の名前と社名を「A社のBさん」に置き換える)

  • 見積書や提案書の文面(社名と金額を伏せて、言い回しだけ相談する)

  • クレーム対応の相談(誰が、どこの、を消して、起きたことだけを書く)

  • 社員向けのお知らせ(個人の名前は消す)

入れない

  • 顧客名簿や社員名簿など、人の名前と連絡先が並んだもの

  • マイナンバー、口座番号、カード番号、パスワード

  • 健康診断の結果など、体や家庭のこと

  • 取引先と「外に出さない」と約束している図面や資料

  • 発表前の決算や売上など、社外に出していない数字

迷ったら、入れないでおけば間違いありません。入れなくて困ることは、まずないので。

「ぼかす」は、こう書き換えるだけ

「ぼかす」と聞くと難しそうですが、やることは名前と数字を置き換えるだけです。たとえば、納期が遅れたお詫びのメールをAIに頼むときは、こんな感じになります。

AIへの頼み方の書き換え例。書き換える前は「△△工業の田中様へ、見積128万円の件で、納期が遅れるお詫びメールを書いて」。書き換えた後は「取引先のA社のBさんへ、見積の件で、納期が1週間遅れるお詫びメールを書いて」。名前と社名と金額をAIに渡さず、出てきた下書きに自分で入れる

AIが書いてくれた下書きに、最後に自分で「田中様」と入れれば完成です。メールの出来はほとんど変わりません。AIに必要なのは「誰に、何が起きて、どう伝えたいか」で、本当の名前や金額はいらないんです。

最初に1回だけ、学習に使わせない設定をしておく

ChatGPTを無料や個人の有料プランで使う場合は、最初に1回、この設定をしておいてください。

ChatGPTで学習に使わせない設定のしかた。01 自分のアイコンを押す、02 設定を開く、03 データコントロールを開く、04 「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにする。オフにした後の会話から学習に使われなくなる

自分のアイコンから「設定」を開いて、「データコントロール」の中にある「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにします。スマホのアプリでも、同じ名前の場所にあります(画面の作りは更新で変わることがあるので、見つからないときは名前で探してみてください)。

注意したいのは、オフにした後の会話から効く、という点です。オフにする前に入れたものまでは消えません。なので、使い始める前にやっておくのがいちばんです。

ほかにも、学習に使われない「一時チャット」という使い方もあります。また、会社向けの有料プラン(ChatGPT Business など)は、最初から学習に使われない設定になっています。社員みんなで使うなら、こちらを検討してみてもいいかもしれません。

社員が自分のスマホで使っている会社は、A4一枚のルールを

地方の会社でよくあるのが、会社としては何も決めていないけれど、若い社員さんが自分のスマホでこっそり使っている、というパターンです。

これを禁止しても、たぶん止まりません(便利なので)。それより、短いルールを1枚作って、みんなに配るほうが現実的です。最初はこの3つで十分だと思います。

  1. 使う前に、学習に使わせない設定をする

  2. 名前と連絡先は入れない。入れるなら「Aさん」に置き換える

  3. 名簿・お金の番号・社外に出していない数字は、何があっても入れない

国の個人情報保護委員会も、個人情報をAIに入れるときは使う目的の範囲内かよく確かめるように、と注意を呼びかけています。むずかしく考えず、「人の情報は入れない」を会社の約束にしておけば、まずは大丈夫です。

ルール作りから手伝ってほしいときは

ここまで読んで「理屈は分かったけど、うちの会社用のルールを一から作るのは大変そう」と思った方もいると思います。正直、そうなんです。書類の種類も、使っているAIも、会社ごとに違うので。

そこでトップフィールドマーケティングでは、社内ルールのひな形や、AIに入れてはいけない情報の早見表、学習させない設定のガイドなどを10点まとめた「AI対策セキュリティパック」を用意しています。社名を入れれば、そのまま社内に配れる形にしてあります。

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会社の情報とAIについて、よくある質問

無料のChatGPTを仕事で使っても大丈夫ですか?

学習に使わせない設定をして、人の名前や社外に出していない数字を入れなければ、使えます。社員みんなで使うなら、最初から学習に使われない会社向けのプランも検討してみてください。

うっかり入れてしまったら、どうすればいいですか?

まず、その会話を削除してください。お客様の個人情報だった場合は、社内の責任者に報告して、どんな情報を、いつ、どのAIに入れたかを記録しておきます。慌てて隠すより、早く共有するほうが、あとで困りません。

ChatGPT以外のAIでも同じですか?

考え方は同じです。GeminiやClaudeなど、ほかのAIにも学習に関する設定があるので、使う前に確かめてください。「人の情報は入れない」「社外に出していない数字は入れない」は、どのAIでも共通です。

さいごに

AIに会社の情報を入れるのが不安なのは、とても健全な感覚だと思います。ただ、その不安のせいで、便利な道具をまったく使わないのは、やっぱりもったいない。

入れる前に3つ確かめる。名前と数字はぼかす。設定は最初に1回だけ。これだけで、使える場面はぐっと広がります。慣れてきたら、請求書の整理や議事録の回も読んでみてください。

「うちの会社だと、この書類は入れて大丈夫かな」と迷ったら、この下のAIじゃけぇ君に気軽に聞いてみてください。会社に合わせて、安心して始められる使い方をご案内します。

AIじゃけぇ君

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